※それぞれあなたの脳内で変換されるキャラでお楽しみください



「…あれ?」

カラン、という鐘の音が響き渡り、その室内にいた全員が一斉に視線を投げかける。
いくつもの視線を浴び、彼は少し恐縮した様子でぺこりと頭を下げた。

「ど、どうも。初めまして、ナン、と申します」

とりあえず自己紹介をすると、奥の席で腕を組んでいた男がため息を吐いた。

「はァ…で？いつになったらおれたちは解放されるんだ」
「どうかしらね。ここにいる全員が集められた理由を知らないんだもの。どうしようもないわ」

その男の隣に座っていた女が肩をすくめる。
よく見ればその女が座っている席には「シナモンロール様」と書かれたカードが置かれている。
ため息を吐いて苛立っている男の前には「プレッツェル様」と記されており、空いている二つの
席の一つに、自分の名前が書かれていた。

「失礼します」

ぺこり、と頭を下げてナンは席に着く。
円卓をぐるりと囲うようにして様々な顔ぶれがそろっている事にナンは驚いた。

「初めまして。僕はピッツァだよ!!こっちは妹のビアンカ。よろしくね」
「これはどうもご丁寧に」

隣の席に座っていた陽気な男、ピッツァに握手を求められ、ナンは笑顔でこたえる。
ピッツァの隣でおとなしくしている色白の少女が軽く会釈をし、ピッツァは「照れ屋さんだから」と
説明をする。

「そちらさんはミニスナックゴールドさんだって」
「どうも」

やわらかい笑顔で返されるものの、どこか胡散臭さを感じてナンの笑顔がひきつる。
だがそんな事を気にも留めず、ミニスナックゴールドは自分の隣に座る男を紹介した。

「こっちはナイススティック」
「どもー。ナンだっけ？アンタ優しそうだな!!」
「はい？」
「こら、思い切り馬鹿を証明する感想を述べるんじゃない」
「ど、どういう意味だコラ!!!」

文句を言い放つナイススティックの隣でため息を吐くブレザー姿の少年の前には、
「コロッケパン様」というカードが置かれている。
ナンは挨拶に行った方がいいかと思うが、彼から放たれている不機嫌オーラを感じて止めておく。

「ところでナンはどうしてここに集められたのか知ってる？」
「いいえ。とにかく集まるように言われただけで」

ピッツァの問いにナンが答えると、どういうわけかその場にいる全員がため息を吐いた。
誰もが何かを知っているかもしれないと期待したのだろうが、ナンもため息を吐きたい衝動に
かられる。

「あと来ていないのは、ハンバーガー、とか言うヤツね。どんなヤツか誰か知らない？」

シナモンロールが隣に座っていた少女、ハニートーストに声をかける。
だが内気な性格なのか、激しく首を振って黙りこくってしまった。

「いい加減でうるさい輩だよ、あの男は」

口を開いたのは、スーツ姿の真面目そうな男だった。
カードには「ベーグル様」の文字。

「ベーグルさんの言う通りのヤツです。かかわるだけ時間の無駄だ」

その隣で腕を組み、コロッケパン同様不機嫌オーラを全開にしているのは「ヴェジー様」という
カードの前に座る少年だった。

「キミの兄上じゃないか」
「あんなものと兄弟になったのが運のつきですよ」

ヴェジーは深いため息を吐く。
どうやらここはため息を吐くための場となりつつあるらしいが、そんな空気を遮断するかのように
勢いよく扉が開かれた。

「おいおいヴェジー!!そんなにため息ばっかり吐いていたら幸せが逃げるんだよ!!!」
「誰のせいだ…」
「彼がそうなのかい？」

ヴェジーの隣に座っていた「ピロシキ」が声をかける。
それにヴェジーが答える前に、遅れて現れた台風男は言い放つ。

「オレがハンバーガー兄貴だっ!!!ブラザーと呼んでくれても構わないよ!!!」
「誰が呼ぶか!!!」

ヴェジーのツッコミが放たれたところで、ピロシキの隣に座っていたミニスナックゴールドに
少し似た男が立ち上がった。
「デニッシュ様」とカードには書かれている。

「なぁ、君はここに集められた理由を知っているのか？」
「デニッシュ、いかにも知らなそうじゃないの」

デニッシュの服の裾を引っ張る可愛らしい少女、「クロワッサン」がそう声をかける。
ハンバーガーはクロワッサンの声は聞こえなかったのか、続けた。

「ここに集められた理由を知りたいのかい？」
「知ってるのか、ハンバーガー。　というか、まさかお前が…？」

ベーグルの言葉に、ハンバーガーはにやりと笑みを浮かべる。
一同がごくりと唾をのむなか、ハンバーガーはゆっくりと言葉をつむいだ。

「集められた理由……そんなの、


オレも知りたいさ!!!!!」



なんとなく予想していた答えにヴェジーとベーグルは頭を抱える。
シナモンロールとデニッシュ、プレッツェルは怒りだし、クロワッサンとビアンカ、ミニスナックゴールド
とコロッケパンはため息を吐く。
ピッツァとナイススティックは何故か笑いだし、ナンとハニートーストはどうしていいのかわからず
ただぼんやりとハンバーガーを眺める。

そして、ピロシキが立ち上がる。

「君達、早く帰りたいなら目的を果たそうじゃないか」

ダン、とテーブルをたたき、ピロシキが言い放つ。
全員がピロシキに視線を向けると、ピロシキは一枚の紙を取り出して言い放った。

「第一回・せあの生んだパンキャラによるパンキャラのパンキャラ大座談会開始!!!
…でも、続きは明日」



「えぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」



総勢15種類のパンによる夢の共演が、今幕を開ける……



　続きます(笑)

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