有言実行って難しい・・・
*edit
2008/08/29 21:37:51
2008/08/29 21:37:51
こんばんは、サガラさんです
知ってます
本日は前に予告していた通り、小説を書きました
どうなるかはわかりません
いつ更新するかもわかりません
唯一つ言えるのは・・・
私は阿呆です(笑)
では、お暇な方だけどうぞ
▼続き・・・→▼
【三番横丁 取立屋・櫂】
〈第一話・出会い〉
この世には、相反しながらもバランスよく存在するモノがある。
どちらかが欠ければ、きっと世の中は崩壊してしまうのだろうが、どう考えても今のこの状況では
そんな事、受け入れられない。
そんな事を考えながら、一人の少女は息を切らせながら肩にかけたショルダーバッグを胸に抱える。
背には壁、目の前には黒スーツ男の三人組。
どちらにせよ、彼女には逃げ道も救いもなかった。
今彼女がいるのがこの横丁でなければ多少の救いはあったかもしれない。
だが、後悔などない。
ちゃんと目的があって来たのだ。
「・・・で?どうするんだって?お嬢さん」
いや、前言撤回。
少し、後悔しているかもしれない。
冷汗が伝うのを感じつつ、この追い詰められている少女は微妙な笑みを浮かべた。
「ど、どうもこうも・・・見逃してください」
「そんな事できるわけねーだろうよ。オジサンたちだってね、ボスに怒られてんだよ?」
「それはすみませんでした。 じゃ」
「行かせるわけ、ねーだろ」
「で、ですよねー」
一番体格のいい男に肩を掴まれ、再び壁に押し付けられるような形に戻される。
残り二人も、ニヤニヤと不快感を感じる笑みを浮かべつつその光景を眺めていた。
「いいか?借りたモンは返す。それは幼稚園のガキでもわかってる世の中の常識なんだよ」
「で、でも父親は去年から帰ってきてないし、借金なんて知らなかったし!」
「んなもん知ったこっちゃねーんだよ!!」
「お前さんは娘だろーが!代わりに返せ!できなきゃ・・・」
一番下っ端と思われる「ジョージ」と呼ばれる男に続いて、「せんじ」という男が言葉をつなぐ。
もったいぶっていると、三人の中では一番上らしい、さっきから肩を押さえつけている男、「藤岡」
が冷たく言い放った。
「人形だ」
その言葉に、少女はびくっと肩を震わせた。
まだ言ってんのか・・・
冗談とは思っていなかったが、諦める、ということもないらしかった。
「だ、だからって・・・」
「今日は力づくでも連れて来いと言われてる。傷はつけるな、と難しい注文付きだがな」
藤岡はにやりと笑みを浮かべる。
どうしよう。
あたりを見回すが、当然周りには誰もいない。
この横丁は、この町に普通に住んでいれば近づくことなどないのだから。
・・・そう、ここ三番横丁には、だれも来るはずがない。
一般人なら、今彼女が追い詰められている入口にすら近づくはずがないのだ。
「・・・何をしておるんじゃ?」
突然の声に、その場にいた全員が一斉に振り返る。
黒いフードを目深にかぶった、ロングコートの少年らしき人物。
足元に目をやると、下駄をはいているのが目に入った。
「なんだテメーは?」
「邪魔すんじゃねー!!」
「いやいや、邪魔なんぞする気はないんじゃが、ただねェ・・・」
言葉づかいは古臭いが、声からしてやはり少年のようだ。
藤岡の合図を受け、ジョージとせんじがまっすぐに彼のもとへと駆け寄る。
ジョージが振り上げたこぶしを簡単にいなし、少年は腹に一撃を喰らわせた。
「ぐはっ!!」
「一人のお嬢さんに、三人の男がよってたかって・・・!」
呆然と立ち尽くしていたせんじも、ようやく体を動かして蹴りを繰り出す。
それもいとも簡単によけて、今度は背に蹴りで一撃を放った。
「げはぁっ!」
「見過ごせんのォ!!」
まるで踊っているようで、つい見惚れてしまう。
魅入っていたのは、どうやら藤岡も同じだったらしい。
だが藤岡はすぐに思考を切り替える。
「・・・ただモンじゃねーな」
「そうじゃの。一般人、とは言い難い」
「見ればわかる・・・!」
藤岡は少女から離れ、懐から短刀を取り出して構える。
それでも怯む事無く、少年はまっすぐに突っ込んでいった。
「馬鹿が・・・!」
藤岡は短刀を操り、少年を攻め立てる。
だが、先ほどよりも鮮やかに、軽やかに短刀をよけていく。
「す、ごい・・・」
「ち!」
「・・・貴様ら、もろお組の下っ端じゃな?」
「関係ないだろ」
「いや。 事情が変わったのォ」
少年は一気に間合いを詰め、藤岡の懐に潜り込む。
不意をつかれたらしい藤岡のほうが、一瞬反応が遅かった。
それが、命取りだった。
「はっ!!」
「がはァァっっ!!!」
胸部に体重を乗せたひじ打ちを喰らわせる。
もろに鳩尾に入ったらしい藤岡は、呼吸ができなくなる。
壁に思い切りたたきつけられ、少女は叫び声も上げることなく頭を抱えた。
ずるずると、地面に座り込む。
力が、というより腰が抜けたのだ。
「大丈夫かの?すまんの、怖い目にあわせて」
すっと手を差し伸べられ、とりあえずその手を取るが、足に力が入らない。
少年は苦笑を浮かべ、少女を軽々と抱え上げた。
いわゆる、「姫抱っこ」である。
「えぇ!? ちょ、えぇ!?」
「なんじゃ?」
「だ、だって・・・!」
「気にするでない。すぐ近くに移動するだけじゃからの」
そういう事を言っているんじゃない。
そうは思うものの、反論できるほどの気力はない。
「あの・・・ひとつだけ、いい?」
「なんじゃ?」
そう言いながら、少年はさっそく少女を地面に下ろす。
すぐ近く・・・確かにすぐ近くだ。
明らかに三番横丁の中に入っている。
なにやらカフェ風の店内に入ったらしい二人は、勝手に薄暗いカウンター席に並んで座ったのだ。
勝手に入っていいものかと言いたかったが、とりあえずあの三人から離れられたことだけには感謝だ。
「あ、ありがとう」
「例には及ばんよ、ちよこ嬢」
「・・・え?どうして私の名前・・・」
「すでに聞いておる。知夏殿より、仰せつかっておるのでな」
「お、父さん? ・・・てことは、やっぱり君が!?」
少年はフードをぬぐ。
丁寧にお辞儀をして、にっこりと笑顔で顔を上げた。
「はじめまして、千夜子嬢。おいらが、この三番横丁の住人、取立屋・櫂じゃ」
「とりたてや、かい・・・」
それが、二人の出会い。
櫂は知夏に頼まれたというが、千夜子はそうではなかった。
この世に、偶然など存在しない。
奇跡だって、信じない。
千夜子はわかっていた。
あの場にいれば、櫂に会えると確信していた。
自分は絶対に助かるのだと、知っていた。
これが・・・すべてのハジマリだという事も・・・・・・
〈第一話・出会い 了〉
次回 〈第二話・鬼が灯した青い炎〉
次はいつかはわかりません(笑)
とりあえずキャラ説明はあとでまた書き込んでおきます。
【三番横丁 取立屋・櫂】
〈第一話・出会い〉
この世には、相反しながらもバランスよく存在するモノがある。
どちらかが欠ければ、きっと世の中は崩壊してしまうのだろうが、どう考えても今のこの状況では
そんな事、受け入れられない。
そんな事を考えながら、一人の少女は息を切らせながら肩にかけたショルダーバッグを胸に抱える。
背には壁、目の前には黒スーツ男の三人組。
どちらにせよ、彼女には逃げ道も救いもなかった。
今彼女がいるのがこの横丁でなければ多少の救いはあったかもしれない。
だが、後悔などない。
ちゃんと目的があって来たのだ。
「・・・で?どうするんだって?お嬢さん」
いや、前言撤回。
少し、後悔しているかもしれない。
冷汗が伝うのを感じつつ、この追い詰められている少女は微妙な笑みを浮かべた。
「ど、どうもこうも・・・見逃してください」
「そんな事できるわけねーだろうよ。オジサンたちだってね、ボスに怒られてんだよ?」
「それはすみませんでした。 じゃ」
「行かせるわけ、ねーだろ」
「で、ですよねー」
一番体格のいい男に肩を掴まれ、再び壁に押し付けられるような形に戻される。
残り二人も、ニヤニヤと不快感を感じる笑みを浮かべつつその光景を眺めていた。
「いいか?借りたモンは返す。それは幼稚園のガキでもわかってる世の中の常識なんだよ」
「で、でも父親は去年から帰ってきてないし、借金なんて知らなかったし!」
「んなもん知ったこっちゃねーんだよ!!」
「お前さんは娘だろーが!代わりに返せ!できなきゃ・・・」
一番下っ端と思われる「ジョージ」と呼ばれる男に続いて、「せんじ」という男が言葉をつなぐ。
もったいぶっていると、三人の中では一番上らしい、さっきから肩を押さえつけている男、「藤岡」
が冷たく言い放った。
「人形だ」
その言葉に、少女はびくっと肩を震わせた。
まだ言ってんのか・・・
冗談とは思っていなかったが、諦める、ということもないらしかった。
「だ、だからって・・・」
「今日は力づくでも連れて来いと言われてる。傷はつけるな、と難しい注文付きだがな」
藤岡はにやりと笑みを浮かべる。
どうしよう。
あたりを見回すが、当然周りには誰もいない。
この横丁は、この町に普通に住んでいれば近づくことなどないのだから。
・・・そう、ここ三番横丁には、だれも来るはずがない。
一般人なら、今彼女が追い詰められている入口にすら近づくはずがないのだ。
「・・・何をしておるんじゃ?」
突然の声に、その場にいた全員が一斉に振り返る。
黒いフードを目深にかぶった、ロングコートの少年らしき人物。
足元に目をやると、下駄をはいているのが目に入った。
「なんだテメーは?」
「邪魔すんじゃねー!!」
「いやいや、邪魔なんぞする気はないんじゃが、ただねェ・・・」
言葉づかいは古臭いが、声からしてやはり少年のようだ。
藤岡の合図を受け、ジョージとせんじがまっすぐに彼のもとへと駆け寄る。
ジョージが振り上げたこぶしを簡単にいなし、少年は腹に一撃を喰らわせた。
「ぐはっ!!」
「一人のお嬢さんに、三人の男がよってたかって・・・!」
呆然と立ち尽くしていたせんじも、ようやく体を動かして蹴りを繰り出す。
それもいとも簡単によけて、今度は背に蹴りで一撃を放った。
「げはぁっ!」
「見過ごせんのォ!!」
まるで踊っているようで、つい見惚れてしまう。
魅入っていたのは、どうやら藤岡も同じだったらしい。
だが藤岡はすぐに思考を切り替える。
「・・・ただモンじゃねーな」
「そうじゃの。一般人、とは言い難い」
「見ればわかる・・・!」
藤岡は少女から離れ、懐から短刀を取り出して構える。
それでも怯む事無く、少年はまっすぐに突っ込んでいった。
「馬鹿が・・・!」
藤岡は短刀を操り、少年を攻め立てる。
だが、先ほどよりも鮮やかに、軽やかに短刀をよけていく。
「す、ごい・・・」
「ち!」
「・・・貴様ら、もろお組の下っ端じゃな?」
「関係ないだろ」
「いや。 事情が変わったのォ」
少年は一気に間合いを詰め、藤岡の懐に潜り込む。
不意をつかれたらしい藤岡のほうが、一瞬反応が遅かった。
それが、命取りだった。
「はっ!!」
「がはァァっっ!!!」
胸部に体重を乗せたひじ打ちを喰らわせる。
もろに鳩尾に入ったらしい藤岡は、呼吸ができなくなる。
壁に思い切りたたきつけられ、少女は叫び声も上げることなく頭を抱えた。
ずるずると、地面に座り込む。
力が、というより腰が抜けたのだ。
「大丈夫かの?すまんの、怖い目にあわせて」
すっと手を差し伸べられ、とりあえずその手を取るが、足に力が入らない。
少年は苦笑を浮かべ、少女を軽々と抱え上げた。
いわゆる、「姫抱っこ」である。
「えぇ!? ちょ、えぇ!?」
「なんじゃ?」
「だ、だって・・・!」
「気にするでない。すぐ近くに移動するだけじゃからの」
そういう事を言っているんじゃない。
そうは思うものの、反論できるほどの気力はない。
「あの・・・ひとつだけ、いい?」
「なんじゃ?」
そう言いながら、少年はさっそく少女を地面に下ろす。
すぐ近く・・・確かにすぐ近くだ。
明らかに三番横丁の中に入っている。
なにやらカフェ風の店内に入ったらしい二人は、勝手に薄暗いカウンター席に並んで座ったのだ。
勝手に入っていいものかと言いたかったが、とりあえずあの三人から離れられたことだけには感謝だ。
「あ、ありがとう」
「例には及ばんよ、ちよこ嬢」
「・・・え?どうして私の名前・・・」
「すでに聞いておる。知夏殿より、仰せつかっておるのでな」
「お、父さん? ・・・てことは、やっぱり君が!?」
少年はフードをぬぐ。
丁寧にお辞儀をして、にっこりと笑顔で顔を上げた。
「はじめまして、千夜子嬢。おいらが、この三番横丁の住人、取立屋・櫂じゃ」
「とりたてや、かい・・・」
それが、二人の出会い。
櫂は知夏に頼まれたというが、千夜子はそうではなかった。
この世に、偶然など存在しない。
奇跡だって、信じない。
千夜子はわかっていた。
あの場にいれば、櫂に会えると確信していた。
自分は絶対に助かるのだと、知っていた。
これが・・・すべてのハジマリだという事も・・・・・・
〈第一話・出会い 了〉
次回 〈第二話・鬼が灯した青い炎〉
次はいつかはわかりません(笑)
とりあえずキャラ説明はあとでまた書き込んでおきます。
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