僕らの日常。
*edit
2010/02/05 20:28:57
2010/02/05 20:28:57
新たにカテゴリー追加しました。
ちょいちょい更新していくので、可愛がってやってください^^*
▼続き・・・→▼
【僕らの日常。】
幼馴染
それは読んで字のごとく、幼い頃から馴染みのある関係と言うことだ。
僕が通う「緑川高校」にも噂の四人組がいて、一年の頃は何の関わりも無く過ごしていた。
それなのに。
始まりは、新学期。
二年生に進級し、新しいクラスを確認するために掲示板を眺めていたときだった。
僕は背が小さい方で、人で埋め尽くされた掲示板には近づけず、クラスを確認できずにいた。
そんな時、聞こえてきた背後の会話。
「一番上の、アレなんて読むの」
「有栖川だよ、アリスガワ」
「不思議の国の住人じゃない!素敵っ」
「おれの身の回りに不思議の国の住人が増えるのは勘弁して欲しいぜ」
「同感」
くるりと振り向くと、そこには四人組がなにやら話しているのが目に入る。
名前を聞かなくても、知っていた。
この高校に通う者なら誰でも知っているであろうその四人は、振り返った僕を一斉に見下ろした。
「あ?何見てんだチビ」
眉間にしわを寄せ、始めに口を開いたのは「狂犬」の異名を持つ男、外村快だった。
四人組の中でもっともガラが悪いこの男に喧嘩を売ろうものならどんな目に遭うか…
ぶんぶんと首を横に振り、僕はその場から離れようとする。
だが、がっしりと腕を掴まれ、それは阻止される。
「やーんっ!この子超カワイイ!!」
「ぐふっ」
そう言って僕を容赦なく抱きしめやがったのは、森口紅葉。
紅葉と書いて「くれは」と読むらしいこの人物、おわかりの通り、オネェ系というヤツだ。
四人組の中でもっとも変人とされるこの人物の秘密は、それだけではない。
「ねぇ、ちょこっとだけ血、吸ってもいい?」
「や、ヤです!!!」
またもや高速で拒絶する僕を見て、頬を膨らませる。
この男、自分をヴァンパイアだと思っているらしく、気に入った人間から血を吸い取ろうとするのである。
「離してやれ。嬉しそうだが、同時に苦しそうだ」
「滅相も無い!」
「苦しくないらしい」
「滅相も無いのはそっちじゃない!!!」
助けてくれているのか、面白がっているのか。
四人組の中でもっとも女子に人気があるこの紺野潤一だが、本人は女子が苦手らしく、今も外村の背に隠れるようにして口を挟んでくる。
紺野の一言は無駄となり、僕はいまだに森口の腕から解放されずにいる。
「…アリスガワ、キョウヘイ。ソソラソファ、ソーファー」
「は?サーファー?」
「違う。君の名前の音だよ。ソが多いんだね。良い事だ」
何が良い事なのかはよくわからないが、機嫌が良いらしい彼は青山陽一郎。
無表情で、無感情なのが基本だが、今の彼はほんの少しだけ笑顔。
珍しい。明日は雪かもしれない。
「恭平、それじゃあ恭ちゃんね!」
「はい?」
「これから恭ちゃんって呼ぶわ。アタシのことはくれはって呼んでくれて構わないからっ」
「い、いやそうじゃなくて…」
「仕方ねぇ。おれのことも快って呼んでいいぜ」
「僕はあまり下の名前を呼ばれるのが好きじゃないから、青山で」
「おれは何でもいい」
「じゅんじゅんでしょ?」
「それ以外で」
くれは、快、青山に、じゅんじゅん。
まだくれはの抱きつき人形となっている僕の頭はついていかず、何故四人の中に強引に引きずりこまれたのか理解できずにいる。
「恭ちゃん、ね」
「…じゅんじゅんに呼ばれると、なんか怖い」
「やめろ」
平凡に始まり、平凡に終わるはずだった僕の高校生活が大きく動き出した瞬間。
この変化が何をもたらすのか、まだ誰にもわからない……
***********
【登場人物おさらい】
○恭ちゃん
フルネームは「有栖川恭平」だが、おそらく三日後くらいには忘れられる。
ごく普通の高校生活を送るはずだったにも関わらず、何故かトラブルメーカーとつるむ羽目に。
○くれは
フルネームは「森口紅葉」だが、「もみじ」と呼ぶと半殺しにされますのでご注意を。
自分はヴァンパイアだと思っているのだが、きちんとした根拠があってのことらしい。
○快
フルネームは「外村快」だが、「緑川の狂犬」と言えば誰もが顔を青く染める悪名として知られている。
小動物が好きなので、恭ちゃんの事を可愛がってくれるかもしれない。
○青山
フルネームは「青山陽一郎」だが、下の名前は好きではないので幼馴染でも「青山」と呼ばせる。
最近四人でつるむのに飽きつつあったらしいので、恭ちゃんの存在は貴重。
○じゅんじゅん
フルネームは「紺野潤一」だが、くれはには昔から「じゅんじゅん」と呼ばれている。
他の三人は「じゅん」と呼んでいるが、必ず連呼されるので同じだと最近気付いた。
不定期で更新していきますっ
【僕らの日常。】
幼馴染
それは読んで字のごとく、幼い頃から馴染みのある関係と言うことだ。
僕が通う「緑川高校」にも噂の四人組がいて、一年の頃は何の関わりも無く過ごしていた。
それなのに。
始まりは、新学期。
二年生に進級し、新しいクラスを確認するために掲示板を眺めていたときだった。
僕は背が小さい方で、人で埋め尽くされた掲示板には近づけず、クラスを確認できずにいた。
そんな時、聞こえてきた背後の会話。
「一番上の、アレなんて読むの」
「有栖川だよ、アリスガワ」
「不思議の国の住人じゃない!素敵っ」
「おれの身の回りに不思議の国の住人が増えるのは勘弁して欲しいぜ」
「同感」
くるりと振り向くと、そこには四人組がなにやら話しているのが目に入る。
名前を聞かなくても、知っていた。
この高校に通う者なら誰でも知っているであろうその四人は、振り返った僕を一斉に見下ろした。
「あ?何見てんだチビ」
眉間にしわを寄せ、始めに口を開いたのは「狂犬」の異名を持つ男、外村快だった。
四人組の中でもっともガラが悪いこの男に喧嘩を売ろうものならどんな目に遭うか…
ぶんぶんと首を横に振り、僕はその場から離れようとする。
だが、がっしりと腕を掴まれ、それは阻止される。
「やーんっ!この子超カワイイ!!」
「ぐふっ」
そう言って僕を容赦なく抱きしめやがったのは、森口紅葉。
紅葉と書いて「くれは」と読むらしいこの人物、おわかりの通り、オネェ系というヤツだ。
四人組の中でもっとも変人とされるこの人物の秘密は、それだけではない。
「ねぇ、ちょこっとだけ血、吸ってもいい?」
「や、ヤです!!!」
またもや高速で拒絶する僕を見て、頬を膨らませる。
この男、自分をヴァンパイアだと思っているらしく、気に入った人間から血を吸い取ろうとするのである。
「離してやれ。嬉しそうだが、同時に苦しそうだ」
「滅相も無い!」
「苦しくないらしい」
「滅相も無いのはそっちじゃない!!!」
助けてくれているのか、面白がっているのか。
四人組の中でもっとも女子に人気があるこの紺野潤一だが、本人は女子が苦手らしく、今も外村の背に隠れるようにして口を挟んでくる。
紺野の一言は無駄となり、僕はいまだに森口の腕から解放されずにいる。
「…アリスガワ、キョウヘイ。ソソラソファ、ソーファー」
「は?サーファー?」
「違う。君の名前の音だよ。ソが多いんだね。良い事だ」
何が良い事なのかはよくわからないが、機嫌が良いらしい彼は青山陽一郎。
無表情で、無感情なのが基本だが、今の彼はほんの少しだけ笑顔。
珍しい。明日は雪かもしれない。
「恭平、それじゃあ恭ちゃんね!」
「はい?」
「これから恭ちゃんって呼ぶわ。アタシのことはくれはって呼んでくれて構わないからっ」
「い、いやそうじゃなくて…」
「仕方ねぇ。おれのことも快って呼んでいいぜ」
「僕はあまり下の名前を呼ばれるのが好きじゃないから、青山で」
「おれは何でもいい」
「じゅんじゅんでしょ?」
「それ以外で」
くれは、快、青山に、じゅんじゅん。
まだくれはの抱きつき人形となっている僕の頭はついていかず、何故四人の中に強引に引きずりこまれたのか理解できずにいる。
「恭ちゃん、ね」
「…じゅんじゅんに呼ばれると、なんか怖い」
「やめろ」
平凡に始まり、平凡に終わるはずだった僕の高校生活が大きく動き出した瞬間。
この変化が何をもたらすのか、まだ誰にもわからない……
***********
【登場人物おさらい】
○恭ちゃん
フルネームは「有栖川恭平」だが、おそらく三日後くらいには忘れられる。
ごく普通の高校生活を送るはずだったにも関わらず、何故かトラブルメーカーとつるむ羽目に。
○くれは
フルネームは「森口紅葉」だが、「もみじ」と呼ぶと半殺しにされますのでご注意を。
自分はヴァンパイアだと思っているのだが、きちんとした根拠があってのことらしい。
○快
フルネームは「外村快」だが、「緑川の狂犬」と言えば誰もが顔を青く染める悪名として知られている。
小動物が好きなので、恭ちゃんの事を可愛がってくれるかもしれない。
○青山
フルネームは「青山陽一郎」だが、下の名前は好きではないので幼馴染でも「青山」と呼ばせる。
最近四人でつるむのに飽きつつあったらしいので、恭ちゃんの存在は貴重。
○じゅんじゅん
フルネームは「紺野潤一」だが、くれはには昔から「じゅんじゅん」と呼ばれている。
他の三人は「じゅん」と呼んでいるが、必ず連呼されるので同じだと最近気付いた。
不定期で更新していきますっ
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